年頭の挨拶 「適疎な地域づくり」を深掘りする―市民の参加と協働のデザインを念頭に-

年頭の挨拶 「適疎な地域づくり」を深掘りする―市民の参加と協働のデザインを念頭に-年頭の挨拶 「適疎な地域づくり」を深掘りする―市民の参加と協働のデザインを念頭に-

(特非)シビルNPO連携プラットフォーム 代表理事
山本 卓朗

明けましておめでとうございます。

2025 年も何かと目まぐるしい一年でしたが、その中で、NPO法人 シビルNPO連携プラットフォーム:CNCPは、土木学会の100周年記念事業の一つとして立ち上げて以降、多くの皆様にご支援を頂きながら、ささやかながら「土木と市民社会をつなぐ」活動を続けられたことに心から感謝申し上げます。中間支援組織としての活動は試行錯誤の連続ですが、今は「プラットフォーム事業」を一つのかたちとして、幾つかの事業を支援推進することに注力しています。その一つである全国の高専生をターゲットにした通称インフラテクコンは大きく飛躍しましたし、適疎な地域づくりもすこしずつ知名度を高めるべく努力を続けています。

さて、適疎な地域づくりについては、三年連続でCNCP通信の年頭の挨拶で取り上げ、HPに特別サイトを設けるなど、聞き慣れない適疎という言葉への理解促進を図ってきました。今年は、議論の深掘りを目指して、CNCP会員の活動との繋がりをご紹介しつつ、以下3点を取り上げます。

●適疎な地域づくりと市民協働の関わり

HPの地域づくりのサイトで100事例を掲載しましたが、そのかたちは、行政主導、企業主導、住民主導など様々です。しかし総じて、市民・住民の参加が低調なプロジェクトは、活発さに欠けるような気がします。阪神淡路大震災以降、活発になってきた市民活動を受けて、1998年にNPO法ができましたが、未だ市民社会の活動を支える基盤は脆弱で多くの課題を残していると思います。このあたりについては、当NPO法人の理事であり、長年に亘り“参加協働型の市民社会構築”に情熱を燃やしてこられた世古一穂さんの著書、「参加と協働のデザイン」学芸出版社2009.10をお読み頂きたいと思います。

●適疎な地域づくりと景観との関わり

研究会で適疎な事例を探し、適疎って何?という議論を重ねる中で、大都会の模倣ではなく、その地域の持つ多様な特色を活かすことが、最も大切では?という至極当たり前の考えに納得しているところです。地域のポテンシャルを考えるとき、ふるさとの景観保持再生も大事な要素の一つです。景観については、当会の法人会員であるNPO法人 美し国づくり協会編著「美し国への景観読本」日刊建設通信新聞社2018.5(CNCP通信2025年3月 Vol.131で紹介)に多くの示唆があります。特に大正時代の童謡詩人金子みすずさんの詩を引用した“みんな違ってみんないい”は、多彩な適疎地域のイメージに重なります。

●適疎な地域づくりデザインに向けて

さて、それでは具体的に私たちがある地域づくりに関わるとして、どのような体制で臨むべきでしょうか。市民・住民の参加と協働を念頭に、“三つの輪”でイメージしてみたいと思います。三つの輪をどう構想するか、まだ研究会で議論中ですが、モデルとして、田中努理事が考案した図を記載しますので、イメージを膨らませて頂きたいと思います。

本年もよろしくお願いします。