
皆さん、NPO法人「シビルNPO連携プラットフォーム(CNCP)」のホームページを訪問いただきありがとうございます。
CNCPは土木を専門とする技術者が中心となって活動していますが、そもそも“土木・どぼくって何?”というと、専門家である私たちでさえ答がまちまちになってしまいます。土木ということばを辞書で引きますと、“・・・などすべて木材・鉄材・土石などを使用して構成する工事”などと書かれていますが、現在私たちが関わっている幅広い分野をうまく表現していないと考えています。このため“土木”ということばのルーツ探しから始めようと、多くの学者や仲間が中国・日本の古文書、文学・日記、梵鐘などを調査研究していますが、その一端を「CNCP通信」第49号から連載していますので、ぜひご覧ください(当ホームページにも掲載)。
一方、ローマ時代の土木は“すべての道はローマに通ず”道路網をはじめ軍事目的であり、軍事工学military engineeringでしたが、街が発展するにつれ非軍事工学の総称としてのcivil engineeringが生まれました。工学は時代とともに土木、建築、機械、電気、化学、金属、冶金などと細分化していきますが、土木工学(civil engineering)は、その原点としての総合性を持っている、すなわち市民工学と言った方が判りやすいのではと考えています。このような議論を進めるうちに、土臭い男社会と思われがちな土木社会でも女性の活動が顕著になってきました。30年前には「土木技術者女性の会」が発足、自らを“どぼじょ”と呼んでその魅力をPRする写真集(土木女子!:清文社)も出して頑張っています。
さて、当NPO法人はCNCP(Civil NPO Collaboration Platform)と略称していますが、全国の建設系NPOと幅広い連携をめざす中間支援組織であるとともに、市民工学の原点に立ち返って、“土木と市民社会をつなぐ”ことを活動の核としています。そのために、様々な分野での専門家や市井での活動を行っている皆さんの参加を期待しております。
平成時代の30年が過ぎて、これからの我が国では、人口減少や国際化の進展そして災害の巨大化などにより新しい課題が次々と発生すると考えます。これらの課題解決のためには、政治や行政だけでなく、企業レベル・市民レベルでの連携・協力がますます必要になってきます。
CNCPの活動もささやかではありますが、皆さんとともに社会課題の解決に努力していく所存です。
代表理事 山本卓朗