特別編・災害に備えて
大きな地震は怖いよね
災害に備えたら怖くなくなるのかな?
国土防災技術株式会社の佐藤さんに「災害に備えて」お話を聞いてきたよ
災害に備えて、避難用リュックの準備もちゃんとしているでしょ?
学校や会社、住んでいる地域でも避難訓練をしているし、テレビやネットで防災をテーマにしたコンテンツをちゃんとたくさん見ているから、みんな「災害に備えて」いるよね
災害に備えて勉強しないといけないけど、勉強していると怖くなっちゃうからイヤだよ
大きな地震をしらせるビュイビュイって音が聞こえるとドキドキして動けなくなっちゃう
怖いですよね。私も怖いです。
でも、動けなくなるのは困ります!
緊急地震速報から地震の強い揺れが来るまでの時間は数秒から数十秒しかありません。
緊急地震速報の音が聞こえたらすぐに身を守るための行動を取ってください。
どんな行動をしたらいいと思いますか?
わたしは机の下に隠れるけど
窓ガラスが少ない場所、柱・壁の多い方に逃げましょうって書いてあったよ
そうですね。
でも「机の下に隠れる」だけが正解ではありません。
地震が起こるのは外出している時、飼い主さんがいない時かもしれません。
地震が発生した時の状況によって正解は変わりますので、普段からイメージしておくことが大事ですね。
また、災害は地震だけではなく、豪雨災害だってあります。
防災の「DIG(ディグ)」や「HUG(ハグ)」って知っていますか?
ディグは「掘る」で、ハグは「抱っこ」でしょ?
防災の話にディグとハグは関係ないと思っていたのに・・・
ネコさんたちには馴染みがある英単語ですよね。
防災のディグとハグは、防災教育をおこなうためのゲームです。
DIG(ディグ)は、Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の略で、災害図上訓練を意味しています。「dig」は「掘る」という意味から「地域の防災力を探求する」という意味も込められているのですよ。
HUG(ハグ)は、Hinanjo(避難所)、Unei(運営)、Game(ゲーム)の略で、避難所運営ゲームを意味しています。「hug」は「抱きしめる」という英単語ですので「地域力で住民を抱きしめる」という意味も込められています。
それでは、災害図上訓練と避難所運営ゲームやってみますか?
やりましょう!!災害に備えるためにはとても有効なゲームですよ。
でも、まずは災害をイメージするために「避難行動訓練EVAG(イーバッグ)豪雨災害編」という災害時の避難行動を疑似体験するカードゲームがあるのでやってみませんか?
え〜、怖いゲームだったらイヤ〜
「避難行動訓練EVAG」ってどんなゲーム?
EVAGは、いろいろな状況で災害に遭ったときに、いろいろな事情を抱えた人たちが自分の判断で避難行動をおこなえるようにしたいという思いで開発したゲームです。
仕事で災害現場に行くのですが、生きることが出来たはずの命が失われるのが悲しくて・・・
土砂災害に遭った人の死亡率は交通事故より高いのですが、土砂災害を含む豪雨災害の場合は、警報・注意報などの段階で事前に避難したり、より適切な避難行動ができれば死亡率を下げることは可能なはずです。
もちろん、災害時は危険な場所に近づかないといった意識も重要です。
危険なところがどこなのか、災害の前に知っておかないといけないよね
避難行動も災害の前に考えておけるといいけど、むずかしくない?
「避難行動訓練EVAG」には、EVAGという地域に住んでいるさまざまな事情を抱えた人のカードがあります。
ほら、ネコを飼っている人もいるんですよ。イヌも一緒に暮らしています。
この子は骨折していて、いまは一人で自宅にいるのね
この子がネコとイヌを連れて避難するのは、むずかしいよね?
イヌがガンバって、ネコと女の子を避難所に連れて行ってあげたらいいんじゃない?
どこが避難所かイヌがわかるかな?
近所の人が助けてくれるといいけど、ネコとイヌが嫌いな人かもしれない・・・
みんなで助け合えるようにするにはどうしたらいいんだろう?
そうです!避難行動訓練EVAGは「どうしたらいいのか?」を考えるゲームです!
自助は、自分で自分の身を助けること。共助は、地域やコミュニティといった周囲の人たちが協力して助け合うことをいいます。 カードの人物になりきって、自助でなにができるか、共助のためには何が必要かを考えてください。
わたしも熊本地震を体験したのですが、もし、あの時に眼鏡が壊れていたら何も見えず助けてもらう立場でした。いまは元気で人を助けることができるかもしれないけど、災害時は助けてもらう立場になるかもしれない。
自助も共助を考えながらゲームをやってみてもらいたいです。
佐藤さんは熊本地震を体験していたのね・・・
わたしたちは大きな地震を体験したことがないのに、ちゃんとゲームで考えられるかな・・・
共助はわたしたちにはできないと思います・・・
たしかに共助は自助ができてこそになります。
どうやったら共助につながるか、自助を考えましょう!
熊本地震の前にも東日本大震災という大きな地震があったのですが、大きな地震が起きると皆さん1年〜2年の間は気をつけるのですが、その後はだんだんと防災の意識がうすれてしまいます。
災害を体験していない人も、災害に備えて何を考えておく必要があるのか、こうしたゲームなどで本心から気が付くことが大事だと思います。
本心から気が付くことができれば、今もし地震が起きても、どこに行けばいいのかパッと思いつくようになれるのではないでしょうか。
むやみに怖がり過ぎて何も出来なくなるのではなく、命は守れると信じて防災の意識を持ち続けてほしいです。
そのためにもどのような災害があるのか、どのような危険な場所があるのか、どのような状況でも命を守れるよう「災害に備えて」知識を増やしておくことも大切です。
参考になるウェブサイトはたくさんありますから見てほしいです。
国土交通省 防災学習ポータルサイト
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/education/
東京都教育委員会 防災教育ポータルサイト
https://www.anzenedu.metro.tokyo.lg.jp/bosaikyoiku/
そうか。自分の命を守るために知識を増やしたら、ビュイビュイって音で動けるようになるかもね
まずはEVAG、やってみるか!
おおおお!!!うれしいです!!
やりましょう!やりましょう!!
担当記者:ルー(黒)&マテ(ハチワレ)2011年3月生まれの姉妹。
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ヘビーエクイップメントの記者・やまたと同じ家に住む。
東日本大震災の時に生まれ育てられてきたものの当時の記憶はなく、ちゃんと防災について考えてきてと地震を怖がる飼い主にお願いされ、やまたに代って取材を担当。暴れん坊のやまたのことは大キライ。