全国街道交流会議v2

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全国街道交流会議全国大会と街道地域づくり

NPO法人全国街道交流会議 専務理事
古賀 方子

■全国街道交流会議の活動から

特別委員会「街道交流首長会」との共同提言
(能登半島地震に係る液状化対策支援費の拡充)
首都圏と街道地域との交流推進
(日本橋「街道名水あわせ」)
サークルツーリズム導入による街道地域活性化
(「鯖街道」街道自転車旅)
街道のブランド化と観光活用
(東海道「箱根八里」の『日本遺産』化)

■全国街道交流会議と全国大会

NPO全国街道交流会議は、発足以降、街道と街道の歴史文化を連携の軸とした広域の地域づくりを目的に、国、県、市区町村、経済団体等で実行委員会を立ち上げ、各地で全国大会を開催している。全国大会では、地域・全国の課題や将来ビジョンに即した大会テーマを設定して事前勉強会や本大会、エクスカーション等を実施し、大会提言をとりまとめ全国に発信。

全国大会を開催した地域では圏域整備を進め、大会提言に基づき全国街道交流会議と協働して国等との連携によるみちづくり、まちづくりに取り組んでいる。

■これまでの全国大会と大会内容

□第1回全国大会(2002年)
「萩大会」(山口県萩市)

大会テーマ:未知維新-『原点認識』『足下出発』

吉田松陰の遺した言葉・原点認識(げんてんにんしき)、足下出発(そっかしゅっぱつ)を掲げ、未知-道 “維(こ)れ新たなり”をテーマに開催した。大会以降「萩往還(はぎおうかん)」の連携活用が進むことになる。

□第2回全国大会(2004年)
「静岡大会」(静岡県富士市)

大会テーマ:街道400年、そして未来の道

富士川と東海道を望む旧富士川町で開催。

東京と大阪から研究者を招き、江戸と京・大坂(阪)、それぞれの視点場から、「東海道」の機能・役割を見直し、みちづくりの将来について提言した。

□第3回全国大会(2004年)
「羽州街道・上山大会」
(山形県上山市)

大会テーマ:山の向こうのもう一つの日本

東北地方整備局と連携し、東北6県を対象地域に東北の道文化の見直しを提言。大会後には、県ごとに街道団体が設立され、東北に数多く残る街道の歴史文化の継承に取り組んでいる。

□第4回全国大会(2005年)
「四国大会」(愛媛県松山市) 

大会テーマ:新南海道談義~廻りの道 巡りの旅~

全国街道交流会議と四国4県、四国経済連合会で実行委員会を設立。全国大会での議論を深め成果を具体化する目的で、大会の前に複数回の勉強会を開催。事前勉強会の開催は、「四国大会」以降恒例となった。

□第5回全国大会(2006年)
「飛騨高山大会」(岐阜県高山市)

大会テーマ:まちの風格。みちの品格。

東海北陸自動車道により創出される連携軸・広域圏を想定し、愛知県、岐阜県、富山県の3県を対象地域に開催。

県ごとにそれぞれテーマを設け、高速道路会社も交え街道・道路の利活用と沿線の活性化について議論した。

□第6回全国大会(2008年)
「高岡大会」(富山県高岡市)

大会テーマ:千年往来-アジア回廊の創出に向けて-

第5回全国大会「飛騨高山大会」とのツイン大会。

日本海側の富山県に視点場を移し、東海北陸連携軸をアジア廻廊の一部ととらえ

様々な議論を展開した。

□第7回全国大会(2009年)
「鳥取大会」(鳥取県鳥取市)

大会テーマ:街道と地域再生

全国最長の無料高速道路・

鳥取自動車道の鳥取県内開通を機に、沿線の鳥取県、岡山県、兵庫県で大会を開催。

大会後に因幡街道を連携軸にした「因幡街道交流会議」が発足し、鳥取自動車道の利活用による因幡街道地域の活性化をテーマに社会実験に取り組んだ。

□第8回全国大会(2012年)
「浜松大会」(静岡県浜松市)

大会テーマ:街道がつなぐ歴史・絆・未来

浜松市政100周年記念として第8回全国大会を開催。大会と勉強会の準備中に東日本大震災が発災。歴史に学ぶ災害に強いまちづくりをテーマに加え勉強会を開催。本大会では、「歴史防災」、「街道観光」の提言を行った。

□第9回全国大会(2013年)
「萩往還・山口大会」
(山口県山口市、防府市、萩市、ほか)

大会テーマ:街道維新~街道とまち、むら再生

「萩往還」沿線の山口市、萩市、防府市で開催。防府市からつながる瀬戸内、海や河川を通じた大阪との広域連携も議論。

「萩往還」の連携活用による街道地域づくりについて提言した。

□第10回全国大会(2015年)
「若狭路大会」
(福井県小浜市、ほか)

大会テーマ:街道が繋ぐ「出会い」のまちづくり

舞鶴若狭自動車道の利活用による地域活性化を目的に福井県若狭路地域で開催。

「若狭路大会」後には、小浜と京都を結ぶ「鯖街道」の『日本遺産』認定を目指し、敦賀市で事後勉強会を行った。

□第11回全国大会(2016年)
「福島大会」
(福島県福島市、ほか)

大会テーマ:街道復興~東北のまち、みち再生

東北中央自動車道でつながる山形県米沢市と福島県福島市、伊達市、相馬市、桑折町を対象地域に開催。大会後には沿線に整備予定の道の駅のゲートウェイ化を目指し社会実験に取り組んだ。

□第12回全国大会(2019年)
「しずおか大会」
(静岡県静岡市、ほか)

大会テーマ:変わる東海道、広がる東海道。~街道が創る未来~

静岡市をはじめとするしずおか中部連携中枢都市圏5市2町を対象地域に開催。静岡市・藤枝市の「東海道」の『日本遺産』化をテーマに勉強会を行って認定に導くなど、街道のブランド化に取り組んだ。

□第13回全国大会(2024年) 
「山陰大会」(島根県安来市、ほか)

大会テーマ:小泉八雲の物語でつなぐ山陰~文化資源として活かす作家と文学~

コロナ禍による3回の延期を経て実施。中海・宍道湖・大山圏域市長会の周年事業として開催。

特別勉強会として、中海・宍道湖8の字ルートをテーマにしたシンポジウムを開催した。

■全国大会 成果の事例(社会実験の実施)

□高速道路上での民間施設案内に係る社会実験
第7回「鳥取大会」成果

〝因幡街道の宿場町を無料高速道路のSAに〟を提案

国土交通省 標識令の改正につながった

□道の駅のターミナル化、高速道路の一次退出に係る社会実験
第10回「若狭路大会」成果

道の駅「若狭おばま」のターミナル化
自家用車・高速バスから市内周遊バスへの乗り換え(二次交通の拡充)