「青くて、広い、日本の空の実現に向けて!」(塚田泰二)

「青くて、広い、日本の空の実現に向けて!」(塚田泰二)「青くて、広い、日本の空の実現に向けて!」(塚田泰二)

青くて、広い、日本の空の実現に向けて!NPO無電柱ネット

NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク事務局
塚田 泰二

NPO法人電線のない街づくり支援ネットワークは、日本の街を電柱や電線のない、安全安心で、美しい景観にするための街づくりを行うすべての機関を支援している、日本で唯一の無電柱化に特化した非営利活動団体で、2007年に設立しました。

■日本の電柱・電線の現状

現在、日本には約3,600万本の電柱が建っているといわれています。
その電柱からはクモの巣のような電線や無機質な機器等が空を覆うように無秩序に張り出しています。
これまで、電柱や電線は、高度成長期日本の電力の供給に大いに役立ってきました。
しかし、景観という観点では普段、我々の視界を遮るだけの存在ですが、ひとたび災害が起きれば人命を脅かす凶器に変わります。
1995年の阪神淡路大震災では、多くの電柱が倒壊しました。電線が切れたことによる火災も発生し、さらに、倒壊した電柱が一刻を争う緊急車両の通行を妨げ現場到着を遅らせました。もし、神戸や淡路の街がもう少し電柱や電線が地中化されていたら多くの人命が助かったかもしれません。
近年、多発する地震に加えて、地球温暖化による台風・豪雨被害の激甚化が顕著になっています。また、インバウンド需要の高まりとともに国内の観光地を中心とした街並みの整備も重要さを増してきています。
このような背景のもと、私たちNPO無電柱ネットは、無電柱化を推進する団体として、様々な取り組みを行っています。

無数の電線・電柱(鹿児島市)
地震による電柱倒壊(神戸市長田区)

■シンポジウム、セミナーの開催、展示会の出展

設立当初の2007年から無電柱化推進のためのシンポジウムやセミナー、勉強会を実施しています。

無電柱化の推進に関する法律(無電柱化推進法)が2016年12月に施行されたのを機に、無電柱化推進のシンポジウムを、東京・大阪・沖縄・北海道・名古屋・金沢・福岡・仙台・広島・松山・沖縄の石垣島で開催。様々な関係者を招いて講演や座談会(パネルディスカッション)を実施しています。

国土交通省道路局の担当者や他の省庁、行政機関の担当者に、無電柱化推進の目的や国の無電柱化推進のための政策の説明を、各自治体の担当者には、無電柱化の取り組み事例の紹介を、街づくりや防災の専門家には、客観的な見地から無電柱化についての効果や提言を、電線管理者(電力会社・通信会社が主)には、無電柱化の取り組み状況や、低コスト・スピードアップの事例紹介や開発の現状説明をお願いしています。
また、無電柱化の低コスト製品や施工事例を広く知っていただくために、東京ビッグサイトなどで無電柱化推進展(2023年で第11回を数える)の出展も行っています。当展示会は、主催者の一般社団法人日本能率協会からの要請で協賛団体として参加しています。

無電柱化推進のシンポジウム(福岡市)
無電柱化推進展(ミニセミナー)の様子

■当NPO各支部(北海道・東京・中部・大阪・九州・沖縄)活動委員会の開催

当NPOの正会員に呼びかけ、無電柱化の技術面、法制度などを定期的に検証し、実用化を目指した勉強会を実施しています。また当NPOの各支部では、支部長を中心に地域に根差した活動も行っています。更に業務提携をしている無電柱化を推進する市区町村長の会会員(主に無電柱化の施工に関わる自治体の担当者)にも当NPO勉強会の参加を呼びかけています。

東京や大阪で行っている活動委員会は、地域の枠を超えて、オンライン中継での参加を募っています。

■無電柱化支援事業

電柱や電線のない安全安心で美しい景観の街づくりを実施したいと思っているすべての機関(不動産・ディベロッパー・行政等)を技術面で支援しています。勉強会を実施して、無電柱化の理解を深めてもらい、複雑な手続きが多い無電柱化の交渉に対して円滑に進められるようにアドバイスさせて頂いています。

地元住民との無電柱化勉強会(那須塩原市)

■研究開発・視察会

国土交通省が現在計画・実行している第8期無電柱化推進計画では、「無電柱化には、お金と時間がかかる」という課題を解決するため、低コスト化(現行より20%のコスト削減)とスピードアップ(平均7年かかる工期を4年に短縮)を目標に掲げています。それを実現するには民間の技術が欠かせません。
当NPOは民間技術を募り、または支援し、その広報をしています。会員企業とともに、現行の整備手法・技術の整理と課題分析を行い、国土交通省・自治体に提案をし、情報を共有しています。
新技術・市場動向調査の実施や新たな無電柱化手法の創出をしています。当NPOの会員から新技術・工法を募り、国土交通省の上部組織である無電柱化推進技術検討会に民間の立場で提案しています。
※当NPO理事・事務局長の井上利一が、国交省の民間部門の部会である民間サブワーキンググループ(民間SWG)の主査を務めています。
当NPOの提案から無電柱化の低コスト製品・工法の技術が少しずつ実績をつくっています。

無電柱化住宅見学会(さいたま市)

また「百聞は一見にしかず」として、無電柱化に関わる施工事例や無電柱化住宅見学会も実施しています。無電柱化された街並み視察会、無電柱化の施工現場や低コスト手法による実証実験の見学、住宅地その他、重伝建地区や観光地、商店街等なども見学する機会を作っています。

■広報活動(無電柱化の日イベント・マスコミ対応など)

近年、景観面や、激甚化する災害での電柱・電線の倒壊によって道路を遮り、一刻も早く助けなければならない命が救出できなかったり、物資が届けられなかったり、大規模な停電が発生したりすることから、テレビや新聞紙面などマスコミから無電柱化の必要性の解説を依頼される機会が増えています。
また法律で定められている無電柱化の日(11/10)にイベントを行い、市民への啓発活動もしています。
私達の日常では、電柱・電線があるのが当たり前。これを「電線病」と呼ぶ専門家もいます。
この電線病の克服には、無電柱化の現状や課題、世界との比較を正しく学ぶ必要があります。
私達NPOは無電柱化出前授業(小学生向け)や無電柱化出張講義(大学生向け)を通じて無電柱化のよさを教えます。無電柱化授業・講義やインターン生を随時募集しています!!
無電柱化を進めるには、国民の理解が必須です。そのために当NPOでは様々なイベントや広報事業を実施しています。
ホームページを介しての広報活動、出版物・会報誌「美空」(毎月発行)の発行、マスコミ・新聞社・出版社への取材受け入れ、無電柱化キャンペーンの企画と実施(11月10日無電柱化の日企画、インターン生企画・無電柱化フォトコンテスト)、無電柱化出前授業の開催(主に小学校高学年と大学生)、インターン生の受け入れ(毎年春と夏)、WEBによる広報活動強化(動画コンテンツ)などを行っています。

無電柱化の日に行われているパネル展(札幌市)
小学校での無電柱化出張出前授業(船橋市)
無電柱化の解説でテレビ出演している井上利一当NPO理事兼事務局長

◎NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク ホームページ  https://nponpc.net/

◎NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク 法人経歴書  https://wp.me/P5dgbh-1rL

◎NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク 会員募集など https://wp.me/P5dgbh-BO

◎2023年までにインターン生が行った企画をご紹介します!