土木と市民社会をつなぐフォーラムの思いと活動

土木と市民社会をつなぐフォーラムの思いと活動土木と市民社会をつなぐフォーラムの思いと活動

土木と市民社会をつなぐフォーラムの思いと活動

土木と市民社会をつなぐフォーラム 副委員長
(特非)シビルNPO連携プラットフォーム 常務理事/事務局長
メトロ設計(株) 取締役
田中 努

■土木と市民社会をつなぐフォーラムとは

私たちのフォーラムは、右図のように、土木学会の「シビルNPO推進小委員会」とCNCPの「ひろげる・つなぐ事業」のコラボで運営しているどこにも属さないバーチャルな組織です。メンバーは、それぞれから参加した委員と、この活動に賛同する他組織の個人数名です。

■フォーラムの思い

フォーラムの思いは、次の2つです。

①土木技術者(シビル・エンジニア)の特にOB が、NPO 等の大小様々な団体で社会課題の解決に取り組んでいるが、それらの連携を強めてNPO 活動を推進したい。

②土木と市民の間にあるかい離を縮めること。土木は、資源が少なく自然災害が多い日本の、経済力と市民生活の向上に欠かせない社会資本整備を、戦後の復興から欧米に追い付け追い越せと、「産官学」がスクラムを組んで進めてきました。しかし、このスクラムに「市民」が入っていなかったために、情報と価値観の共有が不足し、市民・国民のための社会資本整備でありながら敵対関係になったこともありました。そのようなかい離を縮めるために、土木と市民社会をつなぎたい。

そして、私たちは、次の状態になって、持続することをめざします。

・市民が土木の全体を(事業も人も、良いところも悪いところも)概ね正しく理解し、様々なことに、市民が自分の意見を言えて、それらがある程度、インフラ整備(維持・更新)や防災・環境整備等の事業に反映されていく状態。 ・さらに、土木のファンがいて、楽しんだり、自ら土木に関係する仕事に就く人が居る状態。

■フォーラムの活動

私たちフォーラムの活動は、私たち自身が、直接、個々の社会課題の解決に取り組むのではなく、

1)解決に向け取り組んでいる人たちを「つなぐ」

2)解決に向け取り組んでいる人たちと市民を「つなぐ」

・・で、思いを現実化して行きたいと考えています。

この「つなぐ」活動は、次表のイメージです。

私たちは、上記1)2)の人たちと「つなぐ」手段として、土木学会のホームページより、CNCPのホームページとCNCP通信の両者の活用が向いていると考えています。

2023年5月から稼働している現在のCNCPのホームページは、シビルNPO推進小委員会とその後のフォーラムの活動で考えてきた「つなぐ」方法を実現させるために、2022年度にフォーラムで新しく計画・設計したものです。

つなぐ方法フォーラムとして取り組むことフォーラムに参加した仲間が、 個々の自組織の活動を継続しつつ、 取り組むこと
1.フォーラム仲間の情報共有を容易にする・フォーラムの仲間およびフォーラム外で「土木と市民社会をつなぐ活動」をしている組織・団体・個人の活動の情報を集約し、共有する。 ・仲間と活動のDB等の作成・維持も必要。・フォーラムのDBに、自組織の活動情報を登録する。 ・自組織の活動に役立つ仲間を探して、情報共有・連携・協働する。
2.フォーラム仲間の個々の組織の活動を支援する・登録した「土木と市民社会をつなぐ活動」の内、優れた活動を、フォーラム内外に、広く、紹介する。 ・フォーラムの仲間に共通する課題解決のために、有志を集めてWG等で、検討する。・自組織の活動の継続・向上のための課題解決を、仲間に提案し、共に改善・解決する。 ・仲間のイベント参加や情報配付・広報など、市民への呼びかけを、自組織の対象市民へも紹介し、輪を広げる。
3.「市民」との相互コミュニケーションを可能にする・フォーラムの仲間とフォーラム外で行われている「土木と市民社会をつなぐ活動」の情報を、市民のニーズに合わせた切り口で、再発信する。・自組織の活動で把握している市民のニーズを、フォーラムに提供して、フォーラムの仲間と共有する。
3つの「つなぐ」活動

■土木学会の小委員会は4月に移管されます

シビルNPO推進小委員会は、2024年4月から、新たな「インフラパートナー・グループ」として、土木広報センターに移管されます。

「インフラパートナー」とは、土木学会が2020年度に制定した制度で、地域に根差したより密接な『連携』という観点から、インフラに関わる市民・団体とパートナーシップ(合意書)を結び、土木学会各支部を交え、連携を図る仲間のことです。CNCPもインフラパートナーの仲間です。 協定に沿って、下表の活動を推進します。

●土木学会側・パートナーが開催するイベントへの参加及び後援・広報PR、講師等専門家の派遣 ・パートナー活動を土木学会の広報ツールにより対外的に発信 ・本部委員会、支部及び他団体との交流・情報交換の場の提供など
●インフラパートナー側への協力要請・学会のイベントへの参加・PR ・地域インフラ改善のための提案 ・本部委員会・支部との交流など

「インフラパートナー」は、フォーラムが考えている「つなぐ」べき人たちですので、移管後も、フォーラムの活動は、右図のように、基本的に変わりません。

■参考:これまでの紹介記事

CNCP通信に、フォーラムとインフラパートナーの紹介をしています。

・2021.4/VOL.84:インフラパートナーシップ協定と・・・

・2022.5/VOL.97:CNCPとシビルNPO推進小委の協働の実践

・2022.6/VOL.98:「土木と市民社会をつなぐフォーラム」運営会議の委員

・2023.5/VOL.109:いよいよ新サイトがオープンします!