前田建設の地域・地球・未来に向けた取り組み

前田建設の地域・地球・未来に向けた取り組み前田建設の地域・地球・未来に向けた取り組み

前田建設工業 株式会社
総合企画部
サステナビリティ推進グループ

前田建設のステークホルダー

当社は、社員、発注者、サプライヤー、協力会社、株主、地域社会、エンドユーザーなど、事業を行う上での利害関係者の皆さまだけでなく、「地球」、「未来」もステークホルダーと考えています。私たちは、企業市民としての責任を果たすことに加えて、「地球」や「未来」に対しても責任ある行動をとれるようになることが大切であると考えています。

今回は、私たちが実施している社会貢献活動や事業を通じた環境保全活動等の取り組みの一部を紹介します。

前田建設独自のしくみ「地球への配当」

当社は、地球資源の恩恵を受けながら事業活動を行っていることから、事業利益の一部を株主配当と同様に投資者「地球」に還元するという考えのもと、「地球への配当」として連結純利益の2%を目安に、社会課題解決に資する事業外活動へ拠出し、社会貢献活動を推進しています。企業として単に資金を拠出するだけでなく、NPO法人や地域の方々などのステークホルダーと一緒に、それぞれの得意分野を活かした活動に取り組んでいます。

2022年度には、本制度を共同持株会社のインフロニアに移行し、グループ全体で活動を推進しています。

topics MAEDAの森における森林整備活動

2010年度より、⾃治体が設ける企業の森づくり制度を通じて、3つの⾃治体(福井県南条郡南越前町、長野県佐久市大沢財産区、熊本県阿蘇郡高森町)と協定を結び、⾃治体が所有する森を継続的に支援しています。現地の森林組合やNPO法人と協働して森林保全活動を実施する他、毎年行う森林整備活動では、社員やその家族、協力会社の社員とともに森づくりの輪を広げています。2022年には「インフロニアの森たかもり」の取り組みが10年を迎え、継続的な取り組みが評価されて熊本県より表彰いただきました。

2022年熊本県知事表彰を受賞

topics オイスカ「子供の森」計画への支援

2012年度より、タイの当社現地法人であるタイマエダとともに、公益財団法人オイスカが主催する「子供の森」計画に参加しています。資金拠出だけではなく、連携して取り組むことによる支援を重視しており、タイ現地での子供たちとの植林活動なども行っています。
タイでは、乱開発や焼き畑の延焼などによって森林面積が大きく減少してしまっており、大きな社会課題となっています。そこで「子供の森」計画では、植林活動を支援しながら子どもたちへさまざまな環境教育を行っています。今年実施した活動では、近隣の村人に加え、たくさんの小学生たちが作業に参加してくれました。

現地の社会課題の解決に直接寄与することのできる活動へ参加したことにより、社員もモチベーション高く取り組むことができました。過去には、タイの子どもたちが日本を訪れ、活動報告やタイの文化紹介を行うなど、国際交流を通じた環境教育へ貢献する取り組みも行いました。今後も引き続きタイマエダと協力しながら、資金拠出・活動支援を続けていきます。

タイでの植林活動

事業を通じた環境保全活動

当社は、MAEDA環境方針において、「MAEDAは、地球も大切なステークホルダーと位置づけ、ものづくりを通して人々の豊かで安心な生活の実現に寄与することにより、社会とともに持続可能な発展をめざす」という基本理念を掲げ、全社をあげた環境保全活動に取り組んでいます。

topics 国産木材の利用推進と森林の保全 <気候変動への対応、生物多様性への取り組み>

私たちは木材の積極的な利用により、荒廃した森林を循環させ、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林の持続的なサイクルを維持することが重要であると考えています。木は成長するときに大気中のCO₂を吸収し、炭素を固定するため、木材を利用することは、大気中のCO₂削減に大きな効果をもたらします。

当社は木造建築を推進し、森林循環を促すことで、気候変動への取り組みの他、生物多様性保全に貢献することを目指しています。当社の技術研究施設の一部である、ICI Lab ネスト棟は、当社の木造施工実績の中でも、設計・施工初となる純木造建築となっています。

ICI Lab ネスト棟

topics 廃プラスチックリサイクルの推進 <循環型社会構築>

作業所では、建設副産物対策として、発生抑制、作業所でのリサイクル、分別排出を推進しています。当社作業所全体のリサイクル率は93%程度で推移していますが、リサイクル率100% を目指すには、個別品目ごとの対策を見直す必要があります。作業所において、再資源化施設・ 広域認定施設への直接搬出の推進、支店では中間処理施設での処理内容、リサイクル率の確認と優良施設の提案などを行っています。再資源化施設への直接搬出の推進施策として、廃プラスチック圧縮袋の全国展開に取り組んでいます。

前■社会貢献活動を通じた地域社会とのコミュニケーション

建設業の特徴の一つとして、「世界各地に事務所を構え、地域に密着して仕事をする」ということが挙げられます。当社は地域住民の一人、企業市民の一員であるという意識を持ち、作業所や有志グループ、個人などが自発的に社会貢献活動を行っています。地域住民との良好なコミュニケーションを継続し、地域とともに安心安全な社会の実現をめざしています。

topics 工事見学会を通じた地域とのコミュニケーション

【九州支店 日田5号トンネル作業所】

本作業所は大分県日田市と中津市を結ぶ地域高規格道路として、県が事業主体となって整備を進める中津日田道路の一部である藤山トンネルを施工しています。

これまでに多数の工事見学会を開催し、参加者は延べ1300人に上ります。見学会の中では防水シートへのお絵描きやドローン操作実演会、建設機械を操作してもらうなど、工夫を凝らしたイベントを実施することで、建設業の魅力を伝えることに努めました。この活動はメディアに取り上げられるなど、地域をはじめとしたステークホルダーの皆様から高い評価をいただきました。その他、地域のイベントへの参加やインターンシップ受け入れにも積極的に参画しています。

このような地域との関わりを通じて、作業所・建設業界への理解を深めてもらうことを励みに、地域貢献活動に取り組んでいます。

見学会での防水シートへのお絵描き

topics 自治体・発注者目線となって社会課題の啓蒙、地域のPRに寄与

【東京土木支店 与良川作業所】

本作業所は、栃木県南部の小山市郊外、渡良瀬遊水地にそそぐ与良川において国営農地改良事業の一環として排水機場の新設工事を行っています。長年水害が多発する地域であり、発注者である農林水産省も参画する流域治水プロジェクトにおいては、国・自治体等の行政機関だけでなく積極的な地域住民の参加も必要とされています。

そこで、竣工後の施設運用を担う地域住民の方々に、農地改良事業や流域治水の理解を深めてもらうため、若手社員が主体的に現場独自の工事状況情報誌「与良川通信」を着工以来4年間(全43号)毎月発行し、近隣農家や小学校などに戸別訪問し配布してきました。工事の現況報告の紹介にはじまり、自治体や農水省の環境教育、農村振興に関する取り組みの紹介や、地域の方からの取材要請を受け地域の郷土文化を取り上げるなど、「持続可能な農村地域の発展」を柱とし、バラエティに富んだ紙面づくりに取り組みました。

当社が長年現場で大切にしてきた地元第一の精神をもとに、これからも地域に根差した企業活動を続けてまいります。

工事の情報を伝える「与良川通信」

今回ご紹介した取り組みの他にも、当社WEBサイトにて環境保全活動、社会貢献活動をご紹介していますので、是非ご覧ください。

前田建設工業 サステナビリティ:https://www.maeda.co.jp/csr/