つなぐ活動 学生デザインワークショップつなぐ活動 SUMMER STUDIO 

つなぐ活動 学生デザインワークショップつなぐ活動 SUMMER STUDIO つなぐ活動 学生デザインワークショップつなぐ活動 SUMMER STUDIO 

学生デザインワークショップつなぐ活動
SUMMER STUDIO

株式会社三菱地所設計 都市環境計画部
渡部 美香

■SUMMER STUDIO – 他分野の学生同士がつながるデザインワークショップ

学生デザインワークショップSUMMER STUDIOは、公益社団法人日本造園学会関東支部が主催する教育プログラムです。今年で18回目を迎えています。これまで造園分野に限らず様々な大学から約450人の学生が参加しており、今年は学生33名、社会人チューターが12名参加しました。SUMMER STUDIOの目的は、提案をまとめるプロセスにおいて、「まちづくり」に関わる造園・土木・建築・都市計画・観光など多様な分野の学生が分野の枠を超えた議論を行い幅広い知見を集めること、また具体的な都市改善の動きにつなげる新たな可能性を持つ提案を発信することを目的としています。

■今年度のテーマ -「水と土と空と生きる~次世代につなぐ多古町の風景「郊外2.0」~」

今年度対象地となったのは千葉県北東部に位置する多古町。豊かな水と肥沃な土を有する自然風景を有し、また空の玄関口となる成田空港の東側に近接しており、世界の窓口とも言える町です。

作品等詳細は、2023年2月頃に日本造園学会関東支部のHP内に「まとめ本」という参加学生が活動や提案をまとめた冊子が掲載予定ですので、是非ご覧ください。

https://www.kanto.jila-zouen.org/designws/designws-index.htm (日本造園学会関東支部)

多古町の田園風景

■土木学生の取り組み – デザイン提案に向けて

 本ワークショップには近年土木学科の学生も参加しています。土木と言えばインフラの建設が一般的なイメージですが、景観デザインに係る研究室を擁する大学もあり、デザインに関心を持つ学生が参加しています。一方、土木学科全体のカリキュラムは学部生の間研究室配属までは基礎工学の座学や実験を中心に構成される場合が多いため、対象地に対してデザイン提案を行う経験が比較的少なく、ワークショップ前半、土地の読み解きや提案の構成検討を得意としつつも、デザイン提案において、理屈から一歩踏み込んで将来出来上がるかたちを提示することに苦戦する場面も見られました。チーム内の造園・建築のメンバーやチューターと議論を重ね、「何のためにどんなデザインができるか」まで検討・図化し、最後は多古町の方や外部講師の方の前の発表まで漕ぎ着けたことは、貴重な経験になったのではないでしょうか。

提案検討に向け議論
具体の提案を図化
多古町での最終発表

■参加してくれた学生さんへ

 今や「まちづくり」に関わる業種は非常に幅広く、建設分野に限らず様々な企業が日々更新される技術を活かした独自のまちづくりを展開しています。ワークショップに参加した学生さんの就職先も必ずしもデザインに係る業種とは限りませんが、各々の領域でふとそのような立場に立つ機会に出会った際には、少しでもこのワークショップで培った、共通のビジョンの実現に向けて異なる経験を持った仲間と最後のかたちまで考え抜いた経験が頭を過ってくれれば嬉しいです。