土木の魅力を感じていただくための広報活動
土木学会北海道支部 広報担当チーフ幹事
五洋建設株式会社 札幌支店 副支店長
佐々木 広輝
1)「シビルネット北海道」
土木学会北海道支部では、学会と市民、市民協働活動団体を緩やかに繋げる情報共通ツールとして、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるFacebookを活用した「シビルネット北海道」による広報活動を展開しています。そこに掲載される記事の背後には、市民工学としての土木に纏わる、会員の多くの日々の活動がありますので是非ご覧ください。
https://www.facebook.com/civilnet.HK
2)「北海道選奨土木遺産カード(シビルネット北海道カード)」
北海道は今から150年ほど前に本格的な開発が始まり、厳しい気候や自然、開拓地という社会環境のもとで、人々が生活し仕事をする”舞台”を整えてきました。ここに使われたのが“近代土木技術”です。
道路・鉄道や港・空港を作り、橋やトンネルを建設することで、人やものの往来を安全で便利なものにする。河川や海岸を整備して自然災害から生命や財産を守る。発電所をつくりエネルギーを生み出す。上下水道を整え衛生的な生活環境をつくる。街並みを整え、新しい街や工業用地を開き、農地を整備することで、生活や経済活動の場をつくる。これらの営みは全て「土木の仕事」です。
北海道の近代から現代までの開発では、多くの人の手間ひまがかけられ、ひとつひとつに人々の思いが込められています。積雪と寒さ、土や水、未開の自然を相手にしながらさまざまな創意工夫がなされ、新しい技術も生まれてきました。その手間暇の厚みと物語の豊饒さが北海道の近代から現代にかけての歴史であり、その結果が今の北海道の姿なのです。
2014年には土木学会100周年を記念し、ネット上の繋がりだけではなく、実体的な「土木的何か」を通じて、普段土木の世界にあまり触れることのない一般の皆さんに訴えかけることを目的に、北海道にある選奨土木遺産※を紹介する「シビルネットカード」を作成しました。これは”ダムカード”や”道カード”のように、北海道の美しい土木遺産の写真と土木遺産に関するデータが印刷された、名刺サイズのカードです。このカードを通じて、土木の世界の魅力を感じて戴くとともに、「シビルネット北海道」への皆さまのご理解・ご協力をいただければ幸いです。
2014年に最初のカードを発行して以来、2022年までに51枚のカードを発行しています。好評により配布終了のカードもありますが、当HPでカードの写真を見ることができます。
詳細は、当学会支部のHPサイトにご紹介しております。
http://www.jsce.or.jp/branch/hokkaido/_contents/civil/index.htm
※選奨土木遺産
土木学会では、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、2000年に認定制度を設立しました。推薦および一般公募により、全国から年間20件程度を選出しています。2022年度は、北海道より3件が土木学会選奨土木遺産に認定されました。こちらも北海道選奨土木遺産カードの配布が開始される予定ですので楽しみにお待ちください。
3)「土木って何?」
「土木って何?」では「生活に大切な水」、「トンネルの役割」、「道路の役割」、「国土開発と都市計画」という4つのChapterで構成されています。橋や地下鉄を作ったり、海を埋めて新しい街を作ったり、土木の仕事にはいろいろなものがあります。私たちの毎日の生活の中にいろいろな形で土木の仕事が大きな役割を果たしています。昔から、人々の暮らしの中で役立ち、時代とともに日々進歩しながら、私たちの快適な暮らしを支えています。土木を身近に感じていただけるよう動物たちのアニメを用いて、土木に関する基礎知識についてもご紹介しております。教材としてもご使用いただければ幸いです。
http://www.jsce.or.jp/branch/
hokkaido/_contents/what-d/index.htm
これからも、これらの取り組みや現場見学会などを通じて土木の魅力を発信して参ります。